九州の酒

九州の酒処

佐賀

 焼酎王国・九州にあって昔から日本酒の需要が多いのが佐賀県です。成人ひとりあたりの日本酒の消費量が九州トップで、県内における県産酒のシェアも8割を超えるなど、非常に地酒志向が強いところです。佐賀が日本酒市場を形成した背景の理由のひとつは、その味にあると言われています。九州他県では濃厚なタイプの日本酒が多いのに対し、佐賀の日本酒の特徴は淡麗甘口。全国的にみても珍しい甘口酒が好まれる地域となっています。これはこの地域独特の濃い味付けの料理の味覚が関連しているようです。
 肥前杜氏の活躍、酒造好適米「さがの華」・酵母「卑弥呼」の開発、「山田錦」をタップリと使った贅沢な佐賀吟醸の酒造など、九州を代表する日本酒産地としてさらなる進化をし続けています。

佐賀
  • 福岡福岡

     広い筑後平野の豊かな穀倉地帯には、「九州の灘」と呼ばれる城島地区があります。質の高いコメと筑後川の豊かな水により、西日本有数の銘醸地となっています(福岡県は兵庫県に次ぐ「山田錦」の産地)。
     筑後川流域には酒造が多く、そのため、九州で最も大きい杜氏集団が存在し、福岡のみならず九州全域の酒蔵にも協力しています。
     多種多様な銘柄がありますが、吟醸造りでも高い技術が維持され、洗練されたきれいで穏やかな酒質が福岡吟醸の特徴となっています。

  • 大分大分

     現在、大分県には約40の酒蔵があり、九州では福岡県に次ぐ酒蔵数と出荷量があります。大分むぎ焼酎で有名ですが、日本酒造りの歴史は古く、中世に京の都に献上して名声を博したと伝えられる「麻地酒(あさじざけ)」というものがあります。寺の小僧が甘酒の残りを麻畑に埋めて隠したら、美味しい酒になったということが、その名の由来のようです。
     濃厚な甘口タイプの日本酒が多い中、吟醸酒で定評ある銘柄も育ち、杜氏も多く集まっていることから、今後の日本酒造りも期待されている地域です。

  • 熊本熊本

     日本酒と焼酎が共存する土地柄ですが、球磨川流域は米焼酎、熊本市を中心に県北部は日本酒の産地と区分されています。明治末期に、酒の神様と称される野白金一博士が酒蔵を熱心に指導し、その後同氏の「熊本酵母」の発見や各種発明による酒造技術の革新が、熊本の吟醸酒の発展に大きく貢献しました。
     昭和5年の全国清酒品評会では、上位3位を熊本の日本酒が独占するほどになりました。日本酒造りの後進地で、気候も温暖で日本酒造りにあまり適さない環境でありながら、今や熊本は「吟醸酒のメッカ」と呼ばれるほどになっています。

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