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日本三大急流の一つ球磨川や【国宝】青井阿蘇神社を擁する人吉温泉中心部のこだわり&個性派カフェ8選

司馬遼太郎が「日本でもっとも豊かな隠れ里」と著書でも表した、明治創業の歴史ある「人吉温泉」。日本三大急流の一つ「球磨川」を活用した様々なアクティビティ、国宝認定の寺社など魅力ある観光スポットを擁する同地は2020年7月豪雨で大きな被害を受け、現在も復旧・復興の途上ですが、そんな中でも新たな取り組みや観光スポットも増えています。今回、人吉を訪れる際におすすめしたい魅力的なカフェ8店舗と鉄板の観光スポットを紹介します。

様々なアニメの舞台「人吉」への聖地巡礼に訪れるファンが集い、思いを語り合う場としても長年愛される「Cafe 亜麻色」

人吉温泉は観光地としての知名度だけでなく、アニメ「夏目友人帳」「レヱル・ロマネスク」の舞台となっており、全国からファンが集う「聖地巡礼」の地としても知られています。

中でも「レヱル・ロマネスク」作品内に登場するスポットのモデルにもなっている「Cafe 亜麻色」は、同地を訪れたアニメファンから親しまれる一大スポットであり、店内にはファンから寄贈された様々なアニメのグッズ、鉄道模型が展示され、県内外から年に何回も足を運ぶ方も多いとか。

水害の影響による数度の店舗移転を経て、現在は洪水被害から再建を果たされた人吉市内の老舗温泉宿「人吉旅館(「国登録有形文化財」)」敷地内のテナントにて営業中です。
店内は平日でもアニメファンだけでなく、その多彩なメニューをお目当てに地元の方や観光客も来店し、訪れる方々の食欲を満たしてくれます。

今回は色鮮やか且つ食欲をそそる「ホットケーキ(写真はアイスなどを追加トッピング)」をチョイス。ふわふわのパンケーキと冷たくて甘いアイス、トッピングされたフルーツとの相性も抜群!見た目のボリューム感はありますが、意外とペロっとお腹に収まってしまうかも。他にも「焼きカレー」や「ナポリタン」など、ランチメニューの品揃えも豊富です。

Cafe 亜麻色
住所:〒868-0005 人吉市上青井町160 人吉旅館内テナント
電話:090-4488-9566
営業時間:9時~18時
定休日:不定休
https://twitter.com/topiaryamairo

Cafe 亜麻色

熊本県人吉市上青井町160 人吉旅館内テナント

https://twitter.com/topiaryamairo

全国でも珍しい【ものづくり×カフェ】スタイルで地域復興を後押し!本格スイーツも楽しめる「Awesome Cafe」

人吉市は観光だけでなく、市の面積の7割以上を森林が占め、古くから林業が盛んな地域です。また「球磨焼酎」や「人吉刃物」をはじめ製造業を営む企業も多い「ものづくり」が盛んな地域でもあります。

豪雨災害からの復興と地域活性、スタートアップ支援を目的に、人吉市で印刷業・企業プロモーション等を手掛ける「有限会社ソーゴーグラフィックス」が企画し、2023年4月にオープンした「Awesome Cafe(オーサムカフェ)」は、全国でも珍しい「FabLab(デジタルファブリケーションの地域拠点ならびに共同作業場)」を併設したカフェです。

国内最大級の大型レーザーカッターをはじめ、業務用デジタルミシンやガーメントプリンター、UVプリンターなどの機器を一般開放し、不定期で様々なものづくりのワークショップや、工作機械を使ったオリジナルの服やバッグを作成する事も可能です(要予約)。
もちろん、カフェスペースのメニューも本格的!おすすめスイーツ「とろける独り占めシフォンケーキ」は、季節のフルーツとホイップクリームと併せ、ふわっとした歯ざわりの良い生地、口の中に広がる程よい甘さと食感を楽しめます。

他にも香り高いエスプレッソやこだわりの各種オーガニックティー(紅茶、緑茶、ハーブなど)、ホットサンド等のフードメニューも揃っており、落ち着いた雰囲気の店内で普段見ることがない独自のフォルムを持った工作機械を横目に、ゆっくりと店内で寛いでみてはいかがでしょう?

Awesome Cafe(オーサムカフェ)
住所:〒868-0015 人吉市下城本町1426-1
電話:0966-32-8225
営業時間:11時~18時
定休日:毎週月曜(火曜不定休)
https://www.instagram.com/awesomecafe_fablab/

Awesome Cafe

熊本県人吉市下城本町1426-1

https://www.instagram.com/awesomecafe_fablab/

明治10年創業の歴史ある茶舗が営む「町家ギャラリー立山」で人吉球磨の美味しい緑茶と甘味を味わう

古くは鎌倉時代より明治維新まで同地を治めた豪族「相良氏」の城下町であり、人吉市中心部には歴史を感じる町家の風情が多く残ると同時に、球磨焼酎や味噌醤油製造の蔵元、飲食店など創業100年を超える老舗企業が幾つも在ります。

人吉市で明治10年(1877年)創業の茶舗「立山商店」もその様な歴史ある企業の一つ。現在は5代目当主が人吉地域の風土を活かした独自のお茶作りに取り組み、全国お茶品評会「日本茶アワード」で連続入賞されるなど国内でも高い評価を得られています。また日本茶体験などの観光客向けサービスも主催し、人吉・球磨地域の文化や歴史、それらが生み出す産品の魅力を発信する取り組みにまい進されています。
そんな立山商店が手掛ける「町家ギャラリー立山」は、熊本県人吉市に鎮座する「青井阿蘇神社」近くに位置し、木材商の本宅であった古民家を利用した趣ある建物と、良く手入れされた美しい庭を眺めながら、こだわりの美味しい茶や甘味を楽しめます。店内では立山商店の商品ほか茶器や食器などの雑貨、地域オリジナルの農産加工品の購入も可能。

立山商店の田舎番茶を使ったオリジナルのプリンやジェラート、特製チキンカレーと共に人気が高い「ぜんざいセット」は、優しい甘さのぜんざいと淹れ立ての香り高い茶の組み合わせが堪りません。人吉地方の新ショウガや各種スパイスをブレンドしたシロップ「ヤングジンジャーシロップ」を使ったジンジャーエールなど、地域産品を使ったメニューの品ぞろえも豊富です。
町家ギャラリー立山
住所:〒868-0008 人吉市中青井町311
電話:0966-24-0866
営業時間:10時~17時
定休日:毎週木曜
https://www.tateyamasyoten.com/machiya/
町家ギャラリー立山

熊本県人吉市中青井町311

https://www.tateyamasyoten.com/machiya/

人吉観光の拠点にも最適!豪雨災害を乗り越え再出発したユースホステル併設のカフェ「Ao.HOSTEL&CAFE LOUNGE」

人吉市内中心部の紺屋町で長年「人吉ゲストハウス堺」を営まれていたオーナーご一家ですが、2020年豪雨に被災。それでも「この場所を無くしたくない」との思いから、様々な方の応援と共に災害を乗り越え2021年にリニューアルオープンされた「Ao.HOSTEL&CAFE LOUNGE(アオ ホステル&カフェ ラウンジ)」。新たな店名は「『Ao』という言葉は、ハワイやニュージーランドの言葉で、『光や夜明け』という意味があり、『人吉を照らす一つの光』になっていければ」というオーナーの思いから付けられたとか。

人吉観光やビジネス等、様々な利用シーンを想定し、複数の客室タイプが備えられています。周辺には青井阿蘇神社や球磨川下り、人吉城址など観光スポットも多く、宿周辺には夜間営業の飲食店も複数ある為、旅の拠点として是非ともおすすめです。
宿泊施設に併設されたカフェは、間接照明を活かし落ち着いた色合いに統一された空間で様々な創作スイーツや美味しいドリンクを頂く事が出来ます。専属のパティシエが手掛けるメニューは味だけでなく見た目も楽しめる様に工夫されており、公式SNS等で事前にメニューを確認、「どれを食べようかな」と楽しみながら訪れるのも良いでしょう。

今回頂いた「至高のAo.プリン」は「濃厚でいて理想の固さと滑らかさに仕上がる黄金比のレシピを完成させ、仕上げました」というコメント通り、絶妙な食感とすっきりとした甘さのプリンをまずは一口、程よい苦みのカラメルソースを加えてもう一口、トッピングされたアイスクリームと併せて更に一口と、一度に複数の味を楽しめ「至高」の名に相応しいと感じました。他にも豊富なドリンクメニュー、季節限定の本格パフェや焼き立てのクマカヌレを目当てに、何度も訪れてしまいそう。
Ao.HOSTEL&CAFE LOUNGE
住所:〒868-0003 人吉市紺屋町67‐4
電話:090-6892-8840
営業時間:9時~18時
定休日:毎週木曜その他変動あり
https://www.instagram.com/ao.hostel_cafe_lounge/
Ao.HOSTEL&CAFE LOUNGE

熊本県人吉市紺屋町67‐4

https://www.instagram.com/ao.hostel_cafe_lounge/

食べるのが勿体ない!色鮮やかな「花おはぎ」と芳醇な甘みとコク深い珈琲を味わえる隠れ家カフェ「喫茶 古都花」

人吉市中心部でも、創業100年を超える老舗店舗や古い街並みが残る鍛冶屋町の一角に店を構える「喫茶 古都花」。

芳醇な甘味とやわらかな苦味とコク、フルーティーさもあるコロンビア豆と香り高きモカ豆を主流とした異なる豆をブレンドし、それぞれの持味をお互いに引き出した風味豊かな珈琲を提供する、レトロな雰囲気の喫茶店です。

観光客だけでなく、地元の常連の方々も足しげく通う人気の秘訣は、どこか懐かしさを感じる雰囲気の店内で、気さくなオーナーと談笑しながら寛ぎの時間を過ごせる事でしょう。地域内外のイベントにも積極的に出店されており、口コミで広がった人気のメニューが自慢の珈琲と併せて提供される手作りの「花おはぎ」。
オーナー手作りの見目鮮やかな花おはぎ・・・一般的なおはぎの味を連想するかと思いますが、実は十数種類の味を
楽しめます。例えば「ラムネ味」の餡は、口にすれば「ラムネの様な『スッと爽快』な味」を楽しめ、ラムネの様な青味を帯びた鮮やかな色まで再現されています。オーナーがそれらを組み合わせ、お客様からの依頼や、その日の気持ちに合わせ、花の形以外に様々なモチーフの創作おはぎが誕生しています。

イートイン(珈琲や抹茶等と花おはぎのセット)だけでなく、お土産用にテイクアウトの依頼も可能(前日まで要予約)。特に冠婚葬祭や女性への贈り物に人気があるとか。

他のメニューも店内の雰囲気にもよく合う「クリームソーダ」や各種「トースト」セット、「BLTサンド」等もおすすめ。ついつい居心地が良く長居してしまい、お目当ての観光スポットに行き損ねない様に(笑)
喫茶 古都花
住所:〒868-0001 人吉市鍛冶屋町62-4
電話:0966-27-4637
営業時間:9時~17時(ラストオーダー16時30分)
定休日:毎週火曜
https://www.instagram.com/cafe_kotoka/
喫茶 古都花

熊本県人吉市鍛冶屋町62-4

https://www.instagram.com/cafe_kotoka/

熊本市の人気珈琲店がプロデュースする地元・人吉の魅力を盛り込んだ「麻葉珈琲」で頂く至福の一杯

人吉市中心部の紺屋町に2023年オープンした「麻葉珈琲(あさばこーひー)」は、熊本市に店を構える「珈琲回廊(コーヒーギャラリー)」がプロデュースした、歴史ある城下町・人吉の魅力を内外に伝えることを目指したカフェスポットとの事。

古き良き町並みに良く馴染む和風建築の外観、店内の梁や欄間には、元の建物に使われていた古材を活用し、人吉の代表的な伝統工芸品「花手箱」をイメージしたインテリア、店舗カードは「うんすんカルタ」、「きじ馬」をモチーフにした照明など、地元の文化を感じ取れます。

1階カウンターはカフェメニューの注文だけでなく、珈琲豆の購入も可能。数ヶ月ごとに、時期や季節に合わせて10種類以上の銘柄が揃います。どのような味わいかの説明もあるため、自分好みの豆を選ぶ事ができます。また地域の方に日々珈琲を味わって頂ける様、「定額制(珈琲1日1杯無料など)会員サービス」も導入されているとか。
店名から名付けられた人気メニューの一つ「麻葉珈琲」は、ラテの上にトッピングされたマシュマロの甘さと食感、コク深いラテとの相性が抜群。お好みにあわせてアイスまたはホットを選択可。併せて注文した抹茶のテリーヌは、程よい口溶け感と濃厚な抹茶の風味がしっかり味わえます。他にも人気和菓子ブランド「虎之助」監修の虎最中もおすすめ。

2階はテーブル席だけでなく、畳敷きのスペースもあり、靴を脱いでゆったりと足を伸ばしながら寛げます。オランダ製のエスプレッソマシーンで淹れるコク深い珈琲や各種ラテ、こだわりのスイーツを味わいながら、落ち着いた和の空間で至福のひと時を過ごしてみて下さい。

麻葉珈琲
住所:〒868-0003 人吉市紺屋町24
電話:0966-32-8858
営業時間:9時30分~19時(日曜10時~18時)
定休日:不定休
https://www.instagram.com/asabacoffee/

麻葉珈琲

熊本県人吉市紺屋町24

https://www.instagram.com/asabacoffee/

「FILLING」で提供される老舗和菓子店の「あんこ」と「コーヒー」の組み合わせは想像以上に相性バツグン

2020年豪雨災害で多くの住民の方々が被災されると同時に、日々の生活に欠かせなかった多くの店舗もまた被害に遭われ、営業再開を諦めた店舗も多くあったと伺います。人吉市の中心街・札の辻交差点に店を構え、「およげ!たいやきくん」のBGMと共に焼き立てのたい焼きや温泉饅頭が人気の「秋山製菓舗」も店舗や工場、製造機械などに大きな被害を受けた店舗の一つでした。

町の中心部に再び活気を取り戻す為、被災した店舗部分をカフェスペースとして改装しオープンした「FILLING(フィリング)」には、秋山製菓舗4代目の秋山竜雄さんが焼く「たい焼き」が店頭に並びます。カフェメニューだけでなくランチも充実しており、ガバオライスやスパイシーチキンカレー等、しっかりお腹を満たしてくれそう。
近隣の方々の来店も多く、焼き立てのたい焼きをテイクアウトしたり、ランチやドリンクを味わう為に立ち寄ったり・・・そんな居心地が良い店内で味わう定番メニューは、4代続く老舗の技術が光る「たい焼き」。甘さと塩気が絶妙な自家製餡がたっぷり詰まっており、餡を包む生地もしっとり且つ皮目のパリッと感も味わえます。

皿に綺麗に盛りつけられ、添えられたホイップクリーム。海外製のお洒落なカトラリーで切り分けながら食べると、何だか背筋をピンと伸ばしつつ、じっくりとたい焼きを堪能してしまいます。淹れ立てのコーヒーとの組み合わせが想像以上に「しっくりくる」逸品...是非とも味わってみて下さい。
FILLING
住所:〒868-0004 人吉市九日町34-2
電話:0966-32-8400
営業時間:10時~19時
(ランチ:11時30分~15時30分※ラストオーダー)
定休日:不定
※秋山製菓舗の「たい焼き」は日曜日お休みです
https://www.instagram.com/filling11044/
FILLING

熊本県人吉市九日町34-2

https://www.instagram.com/filling11044/

豪雨災害を乗り越え新たな観光拠点として生まれ変わった球磨川くだり発着場「HASSENBA HITOYOSHI KUMAGAWA」内で‘ふわもちのパンケーキ’を味わえる「九州パンケーキCafe」

日本三大急流の一つ「球磨川」は古くから相良氏が治める人吉・球磨地域において年貢や木材を下流域の八代方面へ運搬し、参勤交代の移動手段として用いられるなど物流の要であり、100年以上の歴史を誇る「球磨川くだり」や世代を問わず人気のアクティビティ「ラフティングツアー」など地域経済を盛り上げる観光拠点として注目をあびています。

ですが自然の恵みだけでなく過去幾度となく水害が発生し、記憶に新しい令和2年豪雨災害では、地域の方々やそのお住まい、また観光業や飲食業も大きな被害を受け、今でも地域の各所に傷跡が残ります。球磨川くだり発船場も事務所が1m以上も浸水し、船や運搬用の車両なども被害を受け、経営を諦めようと考えられたとか。

しかし水害からの復興を目指し、『新しい人吉球磨のシンボルをつくるんだ』という代表やスタッフの方々の思いに共感する様々方面からのサポートを受け、豪雨災害から1年後の2021年7月に『HASSENBA HITOYOSHI KUMAGAWA』として新たなスタートを切られました。
施設内には球磨川くだりやラフティング、eバイクを利用した観光ガイドなどの受付を行う「HASSENBAツアーデスク」、人吉球磨を中心に豪雨災害で特に被害の大きかった県南地域のメーカーや生産者と共同開発した球磨川くだりオリジナルの「HASSENBA」ブランド商品を扱う「HITO ×KUMA STORE」、JR九州の豪華列車「ななつ星in 九州」を手掛けたデザイナー「水戸岡鋭治」氏がデザインした、日本唯一の「水戸岡デザイン」ミーティングルームを備えます。

人吉観光の合間にランチやカフェを味わいたい際におすすめしたいのが「九州パンケーキCafe」。九州産の小麦や雑穀にこだわり、乳化剤・香料・加工澱粉などは一切使用していない商品「九州パンケーキ」を使用した「ふわもち」食感のパンケーキや各種ドリンクが揃います。

晴れた日にはテラス席から対岸の人吉城址や眼下の球磨川が復興していく景観を眺めながら、バターミルク、さつまいも、紅茶のパンケーキに九州産の発酵バターや数種類のジャム、シロップで味の変化を楽しめる「九州パンケーキ よりどり3種セット」を味わってみてはいかがでしょう。

HASSENBA HITOYOSHI KUMAGAWA
住所:〒868-0033 熊本県人吉市下新町333-1
電話:0966-22-5555
定休日:不定休
https://hassenba.jp/

九州パンケーキCafe
営業時間:10時~17時(ラストオーダー16時)
定休日:毎週水曜

HASSENBA HITOYOSHI KUMAGAWA

熊本県人吉市下新町333-1

https://hassenba.jp/

辰年こそ外せない!人吉を代表する観光スポット「【国宝】青井阿蘇神社」に隠れ潜む龍を見つけてご利益を願おう

大同元年(806年)創建の歴史ある「青井阿蘇神社」は人吉の地を代々治めた相良氏の庇護を受け、地元の方々からも「青井さん」と親しく呼ばれ信仰を集める、地域に根差した神社です。

慶長年間に造営された社殿群の内、本殿・廊・幣殿・拝殿・楼門の建造物五棟、及び附(つけたり)として造営時の棟札一枚と、改築の年代や内容が明記された銘札5枚が平成20年(2008)に国宝に指定。急勾配のかやぶき屋根や、楼門屋根の四隅の軒下にそれぞれ陰陽一対の神面が取り付けられるなど、他地域では見られない人吉・球磨地方独自の造形が随所に見られます。
また各社殿を巡る際に是非とも見つけたいのが「社殿の八龍」と称される装飾です。神社へ向かう際に立て札でも説明書きがされており、それぞれ「本殿左右側面の破風板下にそれぞれ昇竜・降龍の彫刻が計4体」、「本殿と幣殿をつなぐ廊の左右に阿吽の形相の彫刻が計2体」、「楼門天井部に描かれた雌雄2体」の合計8体が潜んでいるとか。

また辰年の2024年にはこれらに加え、楼門へ向かう参道や本殿の裏手などに、龍をモチーフにした絵などが設置されており、見つける度に不思議とご利益を得た様な気持ちになれるかもしれません。
豪雨災害で社殿や参道の橋、収蔵物などに大きな被害を受けながら、地域の内外からの支援や関係各所の努力で再建が進む「青井阿蘇神社」に世界的建築家「隈研吾」氏が「相良700年の『保守と進取の文化』を象徴する建物」として設計・建造された「青井の杜(もり)国宝記念館」が2023年に開館。

建造費の一部はクラウドファンディングで寄付を募り、樹齢100年を超える重厚な国産材をふんだんに使用、屋根部分は神社社殿の「茅葺き屋根」のイメージを想起させ、伝統建築と進取のデザインが見事に融合した造りは随所に隈氏のこだわりと、関係者の方々の人吉・球磨地域の歴史や文化への想いを確かに感じる事が出来ます。

青井阿蘇神社
住所:〒868-0005 人吉市上青井町118
電話:0966-22-2274
https://aoisan.jp/

青井阿蘇神社

熊本県人吉市上青井町118

https://aoisan.jp/

おわりに

豪雨災害を乗り越え、より魅力的な観光地として復興が進む人吉温泉。皆様がこの地を訪れ、観光や飲食を楽しんで頂く事が、地域の復興に繋がります。本記事が少しでも皆様の旅の一助になれば幸いです。

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