御祭神
一之御殿 八幡大神(応神天皇)
二之御殿 比売大神(多岐津姫命、市杵島姫命、多紀理姫命)
三之御殿 神功皇后(息長帯姫命)
由緒
宇佐神宮は八幡宮の総本宮である。
八幡さまとは応神天皇の御神霊で天皇がなくなられてのち、欽明天皇の三十二年(五七一)に初めてこの宇佐の地に御示現になった。応神天皇は胎中天皇で、生まれる前から皇位にあり大陸の文化や産業を輸入して新しい国づくりを進められ、英明にして神徳も高く、皇室では伊勢につぐご先祖の神社として崇敬され、特に勅使の和気清麿に国体を正す神教を授けたことで有名である。
もとより、この宇佐は神代に比売大神が天降られて早くから開けた処で、宇佐の国造はこの神を祀った。また神武天皇の皇軍を迎えた聖地でもあったので、八幡さま比売大神、及び神功皇后をまつる宇佐神宮が奈良朝の神亀年間に創立されたのも当然のことである。
また聖武天皇の勅願で、神宮司弥勒寺を建てられたことにより、国東半島を中心として六郷山の仏教文化発祥に多大な影響を与えた。
そもそも八幡信仰は、応神天皇の聖徳をたたえただけでなく、海外の文化や信仰と昔からの神道と仏教を融合したもののようで、神事、祭会や建造物、宝物にそのうるわしい姿を遺している。本殿は国宝で八幡造りであるほか、その豪華な檜皮葺丹塗(ひはだぶきたんぬり)の各社殿は千古斧を入れない深緑の社に映えている。
寄藻川にかかる朱塗りの欄干の橋を渡って参道に入ると、まず黒男神社が見えてくる。景行天皇から仁徳天皇までの五代の天皇に二四〇余年忠誠をつくして仕えたと伝えられる武内宿禰をお祀りする社で、長寿、忠誠、奉仕など高い御神徳を授けられる。大鳥居をくぐると右手に"日本三沢の池"の一つとして知られる初沢の池があり、夏には華麗な薄紅色の蓮の花(原始蓮)が咲き乱れる。その横に宝物館がたつ。応神天皇の御子神を祀る春宮(とうぐう)神社、その裏手に須佐之男命(すさのおのみこと)を祀る八坂神社があり、西参道に通じる呉橋に至る。屋根のあるこの呉橋は、鎌倉時代からあり、昔、呉の国の人が架けたともいわれる。
(宇佐神宮社記より)