倭人伝の「一支国」は壱岐のこと。定説になっている。弥生時代の大規模な集落遺跡、「原ノ辻遺跡」がある。今も竹林が多い。大きな鬼の岩屋古墳、掛木古墳がある。長崎県下で、2番目に広い平野がある。豪族が治めていたのだろう。
呼子、唐津一帯が未盧国のことである。「水に潜って魚を獲る」と倭人伝は記す。水に潜る漁法は中国にはないのでわざわざ特記している。三世紀頃の未盧国の中心は唐津市域であるが、一行は呼子に着いたと考えて差し支えない。呼子の加部島には田島神社があり、海峡を往来する人が航海の安全を祈ってきた。未盧国の王墓とされる桜馬場遺跡がある。
「伊都国」とは、糸島地方に存在したと考えられている国。かつての伊都国王の墓とされる平原遺跡からは日本最大級の銅鏡やメノウの管玉が出土した。
渡来人の墓と思われる志登支石墓群(ドルメン)も多くみられる。伊都歴史資料館にはそれら出土品が展示されている。
奴国は博多付近に存在したと記録されている国。
外海に面しているが、湾は両腕に抱きかかえられるように守られている。金印が発見された志賀島は、当時は島であった。
周辺には香椎宮、宇美八幡宮など神功皇后の新羅出兵の由緒を伝える故地がある。神功皇后が卑弥呼であるとの説をかつて、新井白石が唱えたこともあったが…。
甘木(朝倉説)の根拠は、豊かな穀倉であるばかりかこの地方の地名と畿内大和地方との地名が同一のものが多いこと。夜須川(安川とも書かれている)が流れている。香山(かぐやま)もある。朝倉、三輪‥などの地名も。
邪馬台国が東に遷っていった証。この地方の遺跡から、多数の祭祀用土器が出土している。
九州一の大河、筑後川が流れ、豊かな筑後平野が広がる。その河口にあたる久留米一帯が邪馬台国であるとの説もある。高良山に残る神籠石(こうごいし)の遺跡が物語る謎。高良大社には魏時代の三角縁三神三獣鏡が社宝としてある。確かにこの地方には大きな文化圏があった。
杷木の麻底良山の頂きにある社。日本書紀に登場する古い由緒があり、「マテラフ」の名が天照(アマテラ)と関連するところから、邪馬台国と比定されている。