「沿道のところどころを行乞して湯ノ平温泉といふこゝへ着いたのは四時、さっそく一浴一杯、ぶらぶらそこらあたりを歩いたことである」
「ここ湯ノ平といふところは気に入った、いかにも山の湯の町らしい、石だたみ、宿屋、茶屋、湯坪、料理屋、等々もおもしろいね」
「くり返していふが、こゝは湯もよく、宿もよかった。よい昼であり、よい夜であった」
「七時半出立、草鞋の工合もよい、巻煙草をふかしながら、ゆったりした歩調で歩む、岩扇山を右に見て青の洞門まで一里、ここから道は下りとなって耶馬溪の風景が歩々に展開されるのである」
山頭火と緑平の句碑
平成10年に建てられた句碑には、一面に緑平、もう一面に山頭火の句が彫られている。
「かくれん坊のすずめの尻が草から出てゐる」 緑平
「ふりかえるボタ山ボタン雪ふりしきる」 山頭火
隣りの香春にも山頭火は宿をとっている。金辺川の畔には彼の句碑が10基並びユニークな山頭火散歩道となっている。
香春岳を望みながらの句碑めぐりを。
「香春見あげて虱とつてゐる」
「ふりかへれば香春があつた」
二日市温泉は歴史文化No.9参照
歴史文化No.27参照