全国4万余の八幡社の総本山。祭神の八幡神は応神天皇とされ、比売大神(ひめおおかみ)、神功皇后を祀る。上宮本殿は八幡造と呼ばれる特殊な様式で国宝に指定。他に国宝孔雀文馨など重要な文化財が宝物殿に展示。神仏習合をなしとげ、東大寺の大仏鋳造を機に朝廷との結びつきを深め、武士の時代には源氏の氏神になるなど武神として活躍。
慶応大学の創始者であり、「学問のススメ」で知られる福沢諭吉が、長崎に蘭学を学びに行く19歳までを過ごした土壁・茅葺きの家が、国の史跡として保存。勉強部屋として使われていた土蔵も当時のまま残され、興味深い。記念館には学問のススメの初版本やその他の展示物が多くある。
豊臣秀吉より豊前6郡を拝領した黒田孝高(如水)が山国川(当時高瀬川)河口の地に築城したもの。城郭の形が扇の形をしていたことから「扇城」とも呼ばれている。かつて城下町として栄えた名残が、随所に残り、中津市内の金谷町や仲間町、寺町、鷹匠町などに土塀や白壁、格子戸などが残り、往時の様をしのばせる。
●中津、小倉ともに温泉には恵まれていない。秀吉の軍師の黒田如水が築いた中津城、後に城主になった細川忠興は小倉城を築き、小倉に拠を置いた。そして中津城に隠居した。両市はそんな因縁に結ばれる。
●小倉での味のチャンピオンは関門のフグ、をはじめ玄界灘の生きのいい魚。小倉独特のものに「床漬」。床(とこ)をベースにした「じんだ煮(ぬかみそ煮)」。小倉に移った細川の殿様が、代々ぬかみそ煮が好きだったことからいつの間にか郷土食になった。今ではみやげ物にまでなった。新鮮なサバ、イワシを床と一緒に煮る。
ぬか床は家代々に伝わったもの。手抜きをすると腐ってしまう。共働きの時代はぬか床の手入れもやりづらくなってきたが、八坂神社には300年も続くぬか床がある。