産業近代化として造られた施設は大雑把にみて土木治水、製糸、鉄道、石炭の産業、それに伴う工場施設等から建築建造物の広範囲に及ぶ。いま産業遺跡考古学という新しい分野で、学問体系化されようとしている。
九州の産業遺跡としては、土地柄からみて、さきがけとなった長崎は西洋技術に基づく建築物と三菱造船のもとに発展した船舶製造技術の遺産が主に残り、北九州地方は、明治大正期に急速に発展した門司に建築、港湾の遺産が、八幡中心には製鉄が、筑豊地方には鉱山開発と発展の歴史が刻まれている。
それぞれ地域ごとに、地域の特性のあゆみの歴史を知ることができる。
その(1)として、九州の鉄道産業遺構を、その(2)として門司港レトロの建物群を、そしてその(3)として、長崎〜佐賀の近代洋風建築物をとりあげてみた。
長崎にしろ、門司港周辺にしろ、観光では幾度も足を運んでいても、産業発展史的観点、即ち、産業遺跡の面から見て来ることはなかった。教会の建物にしても、宗教史からの視点であっても、近代洋風建築の足跡として、一連の流れの中で学ぶことはなかった。
この視点で見ると、港ながさきは夥しい遺跡に埋もれていることが判る。たっぷり3〜4日間はかかるが‥‥。
農の分野では熊本〜鹿児島の南九州には農の産業遺跡が山ほど残る。
井手(水を通す水路)や橋、干拓の樋門、堤防‥‥も貴重な農の産業遺跡だ。——これらは、いづれ改めて稿を起すことに。
長崎空港~(44分・バス)長崎市
長崎市~(約30分・JR+約20分・特急)有田町~(約20分・JR)武雄~(約40分・バス)嬉野温泉
嬉野温泉~(約40分・バス)武雄~(約90分・JR)唐津~(約60分・JR+6分・地下鉄)天神 ~(15分・地下鉄)福岡空港