紅葉に染まる由布院で限定アップルパイを食べてきた【大分由布院のスイーツめぐり#1】

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紅葉に染まる由布院で限定アップルパイを食べてきた【大分由布院のスイーツめぐり#1】

大分更新日：2017年11月24日

日田のグルメ＆スイーツスポットと豆田の町並みをめぐった後は、せっかくなので秋の紅葉とさらなる甘味を求めて由布院へ足を延ばしてみましょう。大分は山が多く寒暖の差もあるため紅葉の季節のフォトジェニックなスポットには困りませんが、なかでも「奥別府」として密かに人気が出始めた当初からの「ザ・由布院」の佇まいや、金鱗湖と由布岳のコントラストは格別です。目にも心にも、そしてお腹にも嬉しい秋の気配をご紹介します。

由布院今昔物語

全国的にも有名な観光地である由布院ですが、その歴史はちょっとドラマチック。まずはスイーツのご紹介の前に、少しばかり「由布院とは」というおさらいをしてみましょう。
由布岳の潤沢な熱量が生み出す豊富な湯量とたくさんの源泉に恵まれる由布院温泉は、金鱗湖周辺を中心とする閑静な湯治町として長年地元の町民や湯治客に親しまれていました。昭和初期、その環境のすばらしさに惹かれたのが、別府温泉の観光開発に貢献した現・亀の井ホテルの創業者・油屋熊八氏でした。「別府の奥座敷」として、VIPだけを招待する「亀の井別荘」を開業し、時の政財界や芸術界の要人が「由布院温泉」という場所を新しい避暑地として認識していったのです。昭和40年代に入ると、地域ぐるみで映画祭や音楽祭などを主催し、文化的なカラーを濃くしていきます。観光地として少しずつ栄えていく中で、「由布院盆地ののどかな田園風景を壊したくない」という町民の声もあり、団体客のための大型ホテルやネオンサインが煌めく施設、背の高い建物などは建てられずに今に至ります。歓楽街の要素を徹底して排除し、バブル期の大型開発にも参画しませんでした。今も女性ファンが多いのはそうした「しっとりと落ち着いた町」を長年守り続けてきたことが大きな理由のひとつなのかもしれません。
そんな「由布院温泉」ですが、温泉湧出量は全国3位。そして源泉の数は約900本存在し、これは別府温泉に次いで全国第2位と、「おんせん県おおいた」の不動の全国トップに貢献しています。この圧倒的な数字にも関わらず町並みに「温泉感」がないのは、別府のような湯煙がないから。これは源泉の多くを町民が自宅に引いているためだそうです。つまり、由布院の人達は毎日温泉に入っているということ。なんとも羨ましい限り！

訪れたのは10月下旬。汗ばむほどの陽気で、しかも紅葉真っ盛りのとても気持ちのよい一日でした。平日でも、国内外を問わずたくさんの観光客であふれていましたよ。

町を案内してくれる人力車のお兄さんの後ろ姿。歩くと結構距離があるので、利用してみるのもいいかもしれませんね。

由布院の目抜き通り・湯の坪街道。商店と民家と住民の自家用車が混在するこの路地を、毎日たくさんの観光客が訪れます。日常と非日常が溶け合いながら同時に存在する、とても不思議な雰囲気です。

湯の坪街道

大分県由布市湯布院町川上湯の坪

にぎやかな湯の坪街道から川を渡って金鱗湖通りへと歩を進めると、きっと昭和の人たちも目にしたのであろう、紅葉に彩られ始めている由布岳の山肌を眺めることができます。人力車も風情がありますね。

あったらラッキー！な老舗旅館のアップルパイ

金鱗湖通りより少し西側に位置する蛍の川道沿いに、由布院の旅館御三家のひとつ、「由布院玉の湯」があります。和の情緒あふれるしっとりとしたたたずまいは、訪れる人に格別の時間をもたらしてくれることを予感させます。九州に住んでいる人間にとっても、憧れの旅館のひとつです。丁寧に水を打たれたこのアプローチ、ぜひ大切な人と歩いて欲しいです。

旅館のフロントはこの奥ですが、今日はこちらではなく…（後ろ髪を引かれますが）。

ところどころに設置されたお子様向けの遊具なども、こだわりぬかれたものばかり。

今回お邪魔したのは、「ティールームニコル」さんです。

17年続くティールームのオープン前から20年に渡って存在する人気メニューの「アップルパイ」（520円）。
由布院を歩いてカロリーを消費したとはいえ、すでに本日４軒目なので「食べられるかしら…」とドキドキしていたのですが、想像していた“肉厚なリンゴがごろっとのったアップルパイ"ではなく、薄くスライスしたリンゴを丁寧に重ねて焼き上げたアップルパイが出てきました。
サクサクの生地にリンゴの甘みがひろがって、あぁ、もう半分なくなった…あぁ…食べてしまった…と、あっという間にペロリと完食してしまいました。