大分県内で家庭の味、と言ったら、おそらく真っ先にあがるのが「だんご汁」。だんご、とは言っても、丸いものではなく、うどんを太くして幅広にした麺タイプのものが圧倒的に多い。具材や味付けは地域によって異なる。
「ごまだし」とは、エソやアジなどの魚を焼いて身をほぐし、醤油、ごまなどを加えてペースト状にしたもの。保存料等を使用しなくても一定期間保存できる先人の知恵。この「ごまだし」をうどんの上に載せてお湯をかけたのが、ごまだしうどんである。
明治時代、四国から宮崎に招致された農業技術者によってもたらされた、と言われる宮崎の釜揚げうどん。シコシコの麺を揚げ玉の浮かぶダシ汁でつけて食べる。そのコクのあるダシは、本場讃岐を超えている、との声も。
1日で10万トンの水を湧出する唐船峡。その水の温度は年間平均で13度。この湧き水の水圧を利用した、「回転式そうめん流し器(特許権取得)」を昭和42年に開発し、その面白さと、夏は涼しく、冬は温かい部屋でそうめん流しを楽しめる施設。
枕崎はかつおの陸揚げでは、全国第2位。さらに鰹節の産地としても有名。そのため、「まち興し」の一環として、地元の飲食業組合が特産品を生かしたラーメンを開発。かつおの頭、地元産の鰹節で取ったスープに、かつおのヅケが具として載っている。魚の生臭さを消すために試行錯誤を繰り返し、また、店によっては、かつおに多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)を麺に煉り込んだ「頭の良くなる麺」を出すなど、様々な工夫に溢れている。
鹿児島県が指定した「かごしまブランド」である「加世田のかぼちゃ」を使ったご当地ラーメン。市内の製麺業者や飲食店が中心となって開発。かぼちゃの皮や果実の粉末を練り込んだ麺を使い、塩ベースのスープやトッピングに工夫を凝らし独自性を出している。カロチンやビタミンが豊富な健康ラーメン。
東シナ海を望む、いちき串木野市は知る人ぞ知る全国有数のマグロの町。しかし、ほとんどが実際には静岡等で水揚げされるという現状から、「まち興し」の一環として地元の飲食業組合が開発。麺はこのラーメン専用の中太ちぢれ麺でスープによく絡み、秘伝のタレにつけ込んだまぐろのヅケと白髪ネギが主な具。スープはまぐろの頭を利用し、何種類もの野菜と一緒に煮込んだもので、あっさりしているのにコクがある。
明治の終わりに中国福建省から熊本に移ってきた華僑の人たちが作った、とされる鶏ガラベースの春雨スープ。あっさりしたスープに野菜や魚介類がたっぷりと入り、熊本では中華料理店やラーメン店で普通に見られるだけでなく、学校給食にも採り入れられている。
久留米で生まれた豚骨ラーメンが、まずこの玉名の地に伝わり、さらに熊本市に伝わった。そのような経緯もあり、合併して7万人都市になったが、数多くのラーメン店がひしめき合う激戦地。しかし、最近、市内の16店舗が「玉名ラーメン協議会」を結成し、協力し合ってPRしていくことに合意し、今後が期待される。
茹でても延びないコシの強さとシコシコとした歯触りが特徴。江戸後期にそうめんの束ね枠が考案されて以降は、「曲げそうめん」が主流。また南関町は北原白秋の生母の出身地。幼い頃この地で過ごすことも多く、北原白秋は南関そうめんを好んだとされている。南関あげ(油揚げを乾燥させたもの)も有名。