奈留島の江上集落

世界文化遺産
江上天主堂

緑に囲まれた可愛い教会はアイボリーの壁、ブルーの格子窓、
海の青と空の青に美しく映える。
 江上天主堂の歴史は、江戸時代末期の1797年に大村藩領外海(そとめ)から移住してきた潜伏キリシタンの4家族が住み着き、1881年3月にカトリックに復帰(復活キリシタン)したことから始まる。
その後、40~50世帯だった集落の信徒たちが「キビナゴ漁」で建設資金を蓄え、教会敷地は自分たちで開墾、根を掘り起こし抜根して造成した。
建築・設計・施工は名工と誉れ高い鉄川与助が請負1917年に着工、翌年完成させた。
日本を代表する木造教会として2008年に重要文化財に指定されている。

柱には木目模様、窓は信徒の手書きの絵模様が施され、素朴さと信仰の深さが98年を経た今も伝わる。
 小規模ながら鉄川与助の代表作とも言える教会外部には緑豊かな江上集落に映えるような色使いを施し、天主堂内部はリブ・ウォール天井(アーチ型で強度を高める教会建築に代表される工法の一種)、柱は防腐剤や防水性を高めるためにベンガラを塗りその上から木目を描いて仕上げている。ステンドグラスも高価な輸入品を購入できなかったため、透明ガラスに信徒自らが手書きで花などの絵を書いて彩を沿えている。

遣唐使船の風待ち港としても名高い奈留島(なるしま)。
 江上天主堂がある奈留島は島の形が八つ手の葉のようになり、いくつもの入り江がある。そのため遣唐使船の時代から「風待ち港」として有名。漁業の島として最盛期は8,000人余の人口が現在は約2,500人に。教会がある江上地区も過疎化の一途をたどり、地域の小学校も閉鎖され、教会がひっそりと佇んでいる。

住所 長崎県五島市奈留町大串1131
利用料金 無料
駐車場 無し
アクセス情報 ・海上タクシー利用であれば容易にたどり着ける
・奈留港から約7㎞の反対側にあり、乗合バスは運行しているが接続が悪くおすすめできない
・隣の久賀島五輪集落への観光を考慮すると海上タクシーが最適
その他 トイレ天主堂手前にあり

※江上天主堂の保存修理工事等に伴う見学不可のお知らせ
1.工事期間
  平成28年12月~平成29年7月末まで
2.見学不可期間
  平成28年12月1日(木)~平成29年8月末まで(予定)
https://kyoukaigun.jp/news/detail.php?id=116