外海の大野集落

世界文化遺産
大野教会堂
ド・ロ壁
マリア像
大野教会堂 ド・ロ壁 マリア像

大野集落26世帯のために、出津教会完成の11年後に建てられた巡回教会。
 1893年マルコ・マリ・ド・ロ神父の設計と指導のもとに、地域の信徒の労働奉仕により造り上げられた平屋建の教会堂。
造りは北側に通称「ド・ロ壁」と言われる玄武岩の切石を泥漆喰(赤土や砂、石灰を混ぜ合わせた粘土状の接着剤を作ってつなぐ工法)で固めて冬の北風除け石壁となっている。その後ろ側には人一人が歩くことができる狭い風除け通路があり、中央部には堂の入口がある。

質素、整然、気高くが絵に描いたようなシンプルな教会堂。
 内部は入ってすぐの教会堂と奥の南側に司祭室がある。
教会堂は独特の石壁造りとなっており、間口約6.1m、奥行約11.8m、司祭室は木造で間口約7m、奥行は約8mある。
屋根には和瓦を用い、現在ではコーナー部や南北端の鬼瓦にクルスが描かれている。
当初の目的は出津教会までお祈りに来ることができない信徒のための巡回教会として建てられた。
見晴らしの良い山腹斜面に静かに建ち、教会の庭からは角力灘に浮かぶ池島や晴れた日には五島列島の島影を見ることもできる。

庭に立つマリア像と屋根瓦のクルスがひときわ情感を盛り上げてくれる。
 大野教会堂の建物内は一部屋になっており、教会特有のリブ・ヴォルード天井は無く、一見すると農家のたたずまいにさえ感じる。
前庭には純白のマリア像が建ち、すぐ下にはサトイモや野菜類が栽培されている畑がある。
山の崖斜面を利用しているため、落石もあり、裏庭にはイノシシが暴れた足跡や背中を掻いたような痕跡が残っている。
いかに集落の暮らしが大変だったかを思い起こさせてくれる。 

住所 長崎市下大野町2619
利用料金 無料
駐車場 無し
乗用車1台がようやくすれ違うことが出来る程度の生活道路なので、路上駐車は出来ない。
1台程度なら教会への坂道に駐車が可能
その他 ・国道からの道路は舗装済だが階段や藪などある
・崖の斜面を切り開いて建っているため、見学には猪やマムシなどへの注意が必要

仮設トイレ(共用)1台

※教会堂見学は事前連絡をお願いします
https://kyoukaigun.jp/reserve/agreement.php?cid=9