平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)

世界文化遺産
春日集落の棚田と安満岳
春日の棚田とキリシタン時代の聖地「丸尾さま」
春日集落の棚田と安満岳 春日の棚田とキリシタン時代の聖地「丸尾さま」

平戸の西、安満岳すそ野から海に向って広がる美しい棚田の里が春日集落。
 1549年スペイン人でイエズス会創設者の一人「フランシスコ・ザビエル」が薩摩の地に上陸。その後当時ポルトガル船の寄港地だった平戸に行き、藩主の許可を得て布教を開始して以降、平戸島周辺にキリスト教信徒が増えていったが、時の権力者となった豊臣秀吉、徳川家康、家光のキリシタン禁教政策による厳しい統制の中、多くの領民は棄教したが、生月島(いきつきじま)や平戸島西岸では辺境ということもあり、ひそかに信仰を守るものがいた。
(潜伏キリシタンのはじまり)
春日集落では特に潜伏キリシタンが多く存在し、表向きは神仏信仰を掲げながらも秘密組織を作って密かに守りぬいていったと言われている。
村民はキリスト教解禁後もカトリックに復帰しなかったため、地域に教会堂は無い。

神、仏、キリシタンの三位が存在する安満岳は平戸島の聖地。
 元々安満岳は、平戸を護る霊山で豊漁や航海安全祈願の信仰の山として知られ、安満神社(白山比咩神社)と今は廃寺となった西禅寺があり、後に教会も建てられていた痕跡が残る。領民や潜伏キリシタンにとっては山岳信仰とあいまって聖地として参詣することが喜びとされていた。

安満岳断崖に西日があたり反射して周囲を照らす様相は絵画のようなひととき。
 平戸島最高峰の安満岳は標高約514m。春日集落側は断崖絶壁だが、大きく迂回した西側参道と東側からの登山道がある。両方共に途中の鳥居で合流、その後は神社へ続く石積みの階段を登り、神社へ。神社奥に頂上展望所があり、そこから春日集落と美しい海が見え、彼方には生月島を見渡すことができる。付近には石祠や山野草がある。

住所 長崎県平戸市春日町
利用料金 無料
駐車場 ・公民館横に駐車場はあるが離合やUターンは厳しい
・農道は道路が細いため駐車はできない
その他 ・春日集落公民館が臨時に対応
・農繁期(田植え時期と稲刈り時期)は町を抜ける唯一の道路である県道19号は農業用機械が往来するため駐停車禁止になる