とことん松本清張にこだわってみよう。清張ファンなら、少々の難行の行程でも苦にならないハズ。
九州にある清張の作品の地を、文庫本を持って、徹底して、歩いてみよう。
まずは清張の”本場”北九州市小倉にある「松本清張記念館」。清張が育ち、苦難時代を過ごした小倉には彼のマグマがある。「或る小倉日記伝」「菊枕」などの初期の作品の題材も小倉の風土、歴史から紡ぎ出した。鴎外の旧居も残る。後の「黒地の絵」、小倉城野界隈では、黒人騒動の当時を記憶している人は多い。
後の「時間の習俗」は門司、和布刈神社の新春行事が柱になっている。それほど身近な題材だ。
小説がさながら現地に張りついているような錯覚の中での街歩きは楽しい。
そんな背景を背負って小倉城内に建つ「松本清張記念館」は圧巻。
かつての清張の書斎をそのまま移したコーナーでは、清張の息づかいが迫ってくる。
膨大な全作品すべてが揃い、解説、展示、作品の解説も聴ける。喫茶・食堂もあるので一日中滞在できる。
記念館で予習して作品の舞台に旅立とう。
現地ならではの話——吉里ヶ里では、松本清張夫人がこの地(神崎)の出身であることや終戦直後に食糧の買い出しや行商などしていた話を聞くと、清張の作品や人柄がより身近かになる。
「張り込み」の映画ロケのとき、舞台の佐賀市は湧きかえった。一昔前のことだが、その頃、「吉里ヶ里」が発見されていたらきっと作品にからんでいただろうに——など、想像の翼は自由に広がる。
九州を舞台にした主な作品は上記のとおり。
北九州空港~(40分・バス)小倉~(20分・JR)門司~(約25分・バス)和布刈神社~(約25分・バス)門司~(13分・JR)西小倉~(7分・徒歩)清張記念館~(約50分・JR)香椎~(約30分・JR)二日市
二日市~(約20分・JR)久留米~(約60分・JR)日田~(約60分・JR)久留米~(約10分・JR)鳥栖~(約17分・JR)佐賀市又は(約50分・バス)古湯温泉
佐賀市~(約10分・JR)神埼市~(2分・JR)三田川町~(約11分・JR)佐賀駅~(約40分・バス)佐賀空港又は~(約30分・タクシー)神埼市~(約90分・バス)福岡空港