世界の麺のルーツは、中国黄河流域の華北平野とされる。ここで小麦栽培の技術と粉にする技術の双方が発展し、朝鮮半島、長江流域から東南アジア、さらにはシルクロードのオアシスを経て、最終的にはイタリアまで伝わった。大陸文化の影響を受けやすい地理的条件にある九州は、当然、我が国の中でも、早くから麺文化が根付いた地域だと言えるのだろう。製粉の技術が中国から伝わったことで、我が国にも、麺だけでなく饅頭等の小麦を使用した独自の食文化が発展した。福岡市博多区にある承天寺は、中国から製粉の技術を持ち帰ったとされる聖一国師を請じて開山し、「饂飩蕎麦発祥之地」の碑が残る。そして現在、福岡の「うどん」は広く地元の人たちに愛されている。また、長崎県五島列島に伝わる「五島うどん」も歴史は古く、一説には、遣唐使の往来により中国から伝えられたとも言われ、生地を延ばす際、島特産の「椿油」を使うという「そうめん」にも似た製法を取っているところに特徴がある。さらに、この項で紹介する北部九州には、とんこつラーメン、ちゃんぽんといった今や全国で食べられている麺料理のオリジナルが存在するだけでなく、小豆島から製法が伝わったとされる「神埼そうめん」や「島原そうめん」、「南関そうめん」などの伝統的な麺づくりもまた盛んである。 おそらく、これだけバラエティに富んだ麺文化を有する地域は他にはあるまい。そのため、これからコースを2つに分けて各地毎の麺料理を紹介していくが、麺の種類毎にテーマを決めて、九州を巡ってみるのも楽しいかもしれない。 麺料理のアレンジにもまた、地域独自のものがある。例えば、福岡県を中心とした北部九州のうどん屋さんに必ずあるメニュー「ごぼ(う)天うどん」。このメニューは、福岡では戦前からあったとされているが、この地域限定の具で、他の地域には見られない。一説によると、九州から関門海峡を越えてしまうと全く見ることが出来ない、と言われているほどである。九州以外の地域では「幻の」メニューであり、九州に来た際には話題の一つとして食しておくのも一興か。
北九州空港~(40分・バス)小倉~(20分・山陽新幹線)博多~(20分・九州新幹線)久留米~(10分・九州新幹線+15分・JR)佐賀~(50分・バス)古湯温泉
古湯温泉~(50分・バス)佐賀~(10分・JR)神埼~(30分・JR+20分・西九州新幹線)諫早~(80分・島原鉄道+50分・バス)南島原~(50分・バス)島原~(50分・バス)雲仙温泉
雲仙~(30分・島原鉄道+10分・西九州新幹線)長崎~(60分・バス)長崎空港~(30分・飛行機)福江空港~(15分・バス)五島市~(15分・バス)福江空港 福江空港~(40分・飛行機)福岡空港~(10分・地下鉄)博多駅