大分県は、古くは豊の国といわれた。 『「とよ(豊)」と口誦さむだけでも、野山が華やぎそうである。』司馬遼太郎氏はそう述べている。 その大分県、国東半島の入口に宇佐神宮が鎮座している。早い時代に仏教と習合したので宇佐八幡大菩薩ともいわれる。 宇佐を発信地として国東半島全体に神仏混合の独特の天台仏教文化が栄えた。その陰に仁聞菩薩の伝説が色濃く残っている。 瀬戸内海に丸く突き出た周囲120㎞の半島、だが、半島の山襞が凄い。中心の両子山(721m)から、まるで番傘を広げたように放射線状に尾根があり谷がある。奇岩が並び、山容の奥深くに隠された岩窟もある。独特のたたずまい。見るからに大自然の霊地を思わせる。 天台宗の宗徒が棲みついて、修験、祈りの場になった。 今も、多くの古刹と共に磨崖の石仏、この地方だけの国東塔、宝篋印塔、板碑が、自然の一部のように溶け込んで「仏の里」をつくっている。 これらの霊地は、京都、奈良にはない独特の文化遺産である。 世界遺産登録を目指しての準備が進められている。登録では先輩格の「熊野古道」よりも、もっと見ごたえのある、歴史の重みをずっしりと感じる旅が出来る。
大分~(15分・JR+35分・バス)杵築~(60分・バス)国東~(50分・タクシー)豊後高田市
豊後高田市~(60分・タクシー)宇佐~(60分・JR)別府
別府~(45分・JR)中津~(26分・JR)宇佐~(30分・JR+60分・バス)大分空港・宇佐~(40分・JR)大分駅