九州南部一帯が戦場となった「西南の役」から130余年たった。 決戦場の「田原坂」や熊本城攻防、御船、人吉、和田越のコースは、既に第一巻でご案内した。ここでは、歴史に語られていない九州中央山地の霧立越えのルートを辿ってみる。 トレッキングのコースだが、その昔、椎葉と馬見原(山都町)を結んだ馬の背で物を運んだみちでもある。 追う政府軍、反攻の機を伺いながら、故郷城山を目指す。「ひとまず人吉へ」。矢部での軍議でそう決まった。政府軍の目をそらし、攻撃を避けての逃避行である。人吉で体勢を立て直そうということだ。 熊本県馬見原(現・山都町)からは、山深い「霧立越え」の道を辿る。 「霧立越え」とは馬見原~鞍岡~波帰を通り、波帰から椎葉へ向う険しい道。 その際、霧立越えの道中に、薩軍が立ち寄った地が残る。トレッキングを兼ねて、西郷隆盛の胸中を偲ぶ旅である。 当時の薩軍の行動、足跡は全くの空白である。わずかに各地に伝わる土地の人の話をもとに組みたてるしか手だてがない。 いま、五ヶ瀬町の「霧立ち越の歴史と自然を考える会」の主宰・秋本治氏(やまめの里)が中心になってその解明、資料づくりを急いでいる。(問い合わせ・0982(83)2326)
熊本駅~(90分・バス)山都町・阿蘇くまもと空港~(50分・タクシー)山都町~(60分・タクシー)高千穂町
高千穂~(40分・タクシー)やまめの里~(25分・タクシー五ヶ瀬スキー場)・・トレッキング・・椎葉村
椎葉村~(150分・タクシー)人吉~(14分・JR+19分・バス)吉松~(55分・バス)・大口BC~(55分・バス)鹿児島中央駅・大口BC~(70分・バス)鹿児島空港