プロポーズが成功したらいよいよ婚礼。婚礼には二人を育んだ家族や親戚たち、友人知人、あるいはしきたり、おもてなしなど二人をとりまく暮らしの歴史や背景が垣間見えて興味深い。 主役は花嫁。その美しさを数倍にもひきたてる衣裳に身をまとってまさに、「お姫様」のよう。 今ではセレブと言われる一部の人がタレント並みにマスコミを賑わせているが、かつて九州には本物の「お姫様」がいた。とはいえ贅をつくした調度品に囲まれて日々をのんびり暮らす、というわけではなく、大名たちの血を分けた女性たちは、家を守り、また栄えさせるという重大な役目を担っていたのである。 近世の大名家の婚礼は、藩と藩の緊密な関係をつくることを意味していたので幕府の管理のもとで行われていた。幕府が大名を統制するために出した法令『武家諸法度』には、婚礼は幕府の許可が必要であること、家格に応じた婚姻であること、大名の正室は、江戸藩邸住まいとすることなどがうたわれている。婚礼調度も家格に従って質量ともに最高のものが制作されていた。化粧具・文房具・飲食具・遊戯具が、蒔絵などによって豪華絢爛につくられていたのはそのためである。単なる生活用具ではなく、家の威信がかかっているのである。そんな「大名家の婚礼」をキーワードに、美術品としても価値の高い九州の大名家の婚礼用具を巡る旅をしてみよう。 そこからは、当時の武家社会のしきたり、掟、在り方が見えてくる。
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